投資銀行の本格的DCF~エクセル付きで企業価値評価を解説7

DCFに必要なオペレーティングモデル作成方法のステップ5/12です。このステップはBSを構築していきます。作り方はISの構築と同様ですが、計算済みの運転資本はcalcシートからリンクさせること、BSシート下部にバランスチェックを作ることがポイントです。

ステップ5:貸借対照表(BS)を構築する(ただし、現金と短期借入金は除く)

BS項目の予想を立てる

BS項目の予想は、ステップ2で学んだIS項目の予想と同様に、inpシートにまとめて作成しています。BS項目の中で、運転資本についてはcalcシートで既に計算済みですので、calcシートの運転資本セルからBSに値をリンクさせてください。

BS予想の前提

DCF-運転資本のリンク

BSシートの一番下にバランスチェックを作る

BSを構築したら、一番下(37行目)に、資産と負債・資本がバランスしているかをチェックする数式を入れておいてください。こうすることで、計算間違いした場合、バランスチェックがゼロ以外になるので間違いに気付きやすくなります。ただし、このバランスチェックは万能ではないのでご注意ください。仮にバランスしていたとしても、計算間違いが生じている可能性はあります。例えば、実効税率を用いるべきところに限界税率を用いてしまった場合など、計算結果は間違っているものの資産と負債・資本はバランスしているという状態は起こりえます。一度モデルを構築してしまうと、なかなかミスに気付きにくいものなので、モデリングではまずは正確性を大事にして、スピードは二の次にすることをお勧めします。繰り返しモデリングをしていると、スピードは後からついてきます。

なお、バランスチェックは最後にほぼ全ての計算を終えたところで初めてゼロになりますので、今の時点ではゼロになりません(下の図は完成版のスクリーンショットなのでゼロになっています)。

DCF-バランスチェック

現金と短期借入金は空欄のままでOK

なお、このステップのタイトルにカッコ書きしているように、現金と短期借入金は空欄のままにしておいてください。

次のステップ

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コメント

  1. しょう より:

    CAPEX及び負債の項目は売上収益との比率で予想値を作成するのが一般的なのでしょうか。

    1. 壁道さん より:

      CAPEXや負債の項目は一般論として事業規模に比例して増減するため、売上高(≒事業規模)の関数で表すことが多いです。ただし、実際にモデリングを行う場合は、対象会社の過去の財務諸表を分析するとともに、可能な場合は対象会社から投資方針や資本政策をヒアリングすることで、売上高の関数とするのが良いか、他により適切な指標があるかを検討したうえで決めていきます。

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