M&Aモデル構築のステップ16では、合算CFを作成します。オペレーティングモデルと少し異なる方法で構築していきますので、異なる点を中心に解説していきます。
ステップ16:合算CFを作成し、期末キャッシュをBSの現金と短期借入金にリンクさせる(この時点でBSがバランス)
M&AモデルでのCF構築方法を理解する
M&Aモデルでは、オペレーティングモデルと少し異なる方法でCFを構築していきます。もちろん、オペレーティングモデルと同様に、BSとmixedアカウントを用いて純利益を調整していくやり方も可能ですが、既に2社それぞれのCFが構築されていて、M&Aに伴う各種調整も計算しているので、これらの計算結果を活用してCFを構築する方法について、オペレーティングモデルと異なる点を中心に解説していきます。
減価償却と無形固定資産の償却は、2社を合算した値にフェアバリュー調整で追加認識した固定資産の償却分を加味します。
負債発行費用はadjシートから値をリンクさせます。
設備投資と無形固定資産の追加は、2社それぞれの値を合計します。
非支配株主持分の配当も2社それぞれの値を合計します。
これら以外の計算はオペレーティングモデルと同様ですので、詳細は以下のリンクを参照してください。
期末キャッシュをBSにリンクさせる
最後に、オペレーティングモデルと同様に期末キャッシュをBSにリンクさせます。期末キャッシュがプラスであれば現金残高に計上され、マイナスであれば短期借入金に計上されるように、max関数とmin関数を用いてリンクさせることに留意してください。詳細は以下のリンクからオペレーティングモデルの解説を参照してください。
投資銀行の本格的DCF~エクセル付きで企業価値評価を解説10
この時点で合算BSの最下部に作成したバランスチェックがバランスします。もしバランスしていない場合は、これまでのステップで計算間違いがありますので、もう一度見直してから次のステップに進んでください。