日本人にとって、英語の読む・書く・話す・聞くの中で一番苦手なのは話すこと。日本で生まれ育って現在はニューヨークで英語だけで仕事をしている私が、スピーキングの勉強法がわからないという方に、超効率的なスピーキング練習法を紹介します。

効率的な英会話練習に必要な4つのこと

私がお勧めする英会話練習法は、コスパの良いオンライン英会話を使うものなのですが、ただ画面越しに英会話を行うだけでは、英会話スキルを短期間で大きく伸ばすことはできません。

なんとなく毎日30分英語で会話するだけでも、やらないよりはマシですが、いくつかのことをやるだけで短期間で自分の目的に合った英会話力を大きく向上させることができます。

ちなみに、これから解説する方法は予習に一定の時間を使うのですが、忙しくて予習に時間を使えないという方や、予習で紹介する英語原稿を自分で作成できる自信がないという方には、それをサポートしてくれるオンライン英会話スクールも紹介していますので、まずは解説を読んで効率的な学習方法を学んでから、ご自分の状況に応じて適切な英会話スクールを選んでみてください。

1つ目:英会話が必要となるシーンを具体的に書き出す(事前準備)

英語を勉強する際は、英語を勉強することで何を達成したいのかを明確にすることがとても大事です。例えば、仕事で海外の人と電話会議で議論できるようになりたいという目的であれば、覚える単語は仕事関連に集中した方が効率的ですし、トレーニングする英会話の内容も旅行英会話とは異なってくるというように、どのような英語を勉強するかは英語を勉強する目的によって決まってきます。

そこで、英会話の練習を始める前に、どのような場面で英会話を使いたいか(使う必要があるか)をできるだけ具体的に、いくつでもいいので書き出してください。この作業をきちんと行うことが実際の英会話トレーニングの効率性を大きく変えます。

書き出す例(海外の運用会社に投資する金融機関職員の例)

  • 投資先と行うパフォーマンスレビューの電話会議で、ただ聞くだけでなく質問や議論をしたい
  • 新規投資候補先との面談で自分や自分の会社を簡潔に自己紹介できるようになりたい
  • 新規投資先との面談で、相手の投資哲学や実績等を質問できるようになりたい
  • 出張先で急なレストランの予約などに対応できるようになりたい

ここに書いたのは一例ですが、このようにできるだけ具体的に書き出すことが重要です。

2つ目:英会話の前に場面を具体的にイメージした原稿を準備する(予習)

次に、先ほど書き出した英会話の具体的な場面の1つを選び、自分が話したいと思う内容を書き出してください。会話の長さとしては、2~3分あればいいですが、最初は1分程度の長さの原稿で十分です。例えば、電話会議で取引先候補に自己紹介する場合の原稿例としては以下のようなものになります。

原稿例(電話会議での自己紹介、Aが自分、Bが相手)

A: Who just joined?

B: This is Mike from Beyond Wall Street Capital.

A: Hi Mike. This is (自分の名前)from (自分の会社名). I have my colleagues, John and Amy with me in this call.

A: Before getting straight into the discussion, I think it would be good for us to spend a few minutes introducing each other because this is the first time to talk, if you don’t mind.

B: I agree.

A: I’m (自分の名前), a senior manager of *** division in (自分の会社名). I’m in charge of equity investment in the U.S for 5 years. Recently, our company has increased its allocation to the U.S equity so we are now looking for a new asset management firm to invest. Our company is one of the largest institutional investors in Japan. Our investment philosophy is getting capital gain in a long-term so what we want to invest is a fund with a long-term investment horizon.

B: Thanks for the introduction. Let me introduce myself as well. I’m Mike, a senior portfolio manager of the U.S. equity fund in Beyond Wall Street Capital. Our asset under management is $300 million and almost reaching our capacity. Our fund performance is excellent. We have outperformed the market in 5 years in a row.

ネイティブ同士の会話であれば1分もかからずに終わる内容ですが、30分程度の英会話練習では最初のうちはこのくらいの文章で十分かと思います。

最初はこのような文章を書くのに1時間かそれ以上かかってしまうかもしれませんが、頑張って書いてみることが大切です。というのも、自分で書けない英語は話せないからです。

とはいえ、どうやって書いたらよいかわからないという方は、 講師が原稿作成を手伝ってくれる英会話スクールに入学するという方法があります(具体的なスクール名は下の方で紹介しています)。

ちなみに、このサイトでも英会話原稿の参考例を作成してアップしていく予定です。

3つ目:作成した原稿をもとに英会話を行う(レッスン)

オンライン英会話学校では、多くの場合、普通に先生と25分から50分会話して終わりになるケースが多いです。それだと自分の強化したい部分に集中したトレーニングにならないので、事前に準備した原稿を使って、ロールプレイを行いたいと先生に伝えてください。30分の英会話における時間配分は以下のイメージです。

原稿を使った英会話の進め方

3分:先生に原稿を使ったロールプレイをしたいことを伝え、どのような場面を想定しているかを説明する

4分:1回目のロールプレイ

4分:自分の発音や発言内容について先生からフィードバックをしてもらう(わかりにくかった表現や発音など)

4分:先生からのフィードバックを踏まえて原稿を修正し、もう一度ロールプレイ

4分:先生に、原稿をより良くするために追加した方が良い文章(発言)を教えてもらい、原稿に追加

4分:最後に文章を追加した原稿を用いて、再度ロールプレイ(その際、できればスマホで録音する)

このようにすると、25分の中で2回のフィードバックと3回のロールプレイを行うことになり、何も準備しない場合と比べて格段に効果が高まります。

その4:スキマ時間を使って原稿をもう一度読む(復習)

せっかく時間をかけて作成した原稿は復習することでより記憶に定着し、自分のものになります。とはいえ、忙しい毎日の中で復習の時間を作るのは簡単ではない方も多いと思いますので、そんな方に有効なちょっとしたライフハックを教えます。

作成した原稿は3回もロールプレイしているので、次の日の朝でもある程度は頭に入っていると思います。そこで、通勤時に駅まで歩く間などのスキマ時間に、頭に入っている原稿を声に出して練習します。

ただ、普通に歩きながらブツブツ話していると変な人に見られるので、スマホを耳に当てながら、あたかも英語で電話をしているかのようにして練習すると、周りから見ても「あ~、あの人は英語で電話してるんだ」としか思われません。

最初は恥ずかしい気もするかもしれませんが、周りの人はそれほど気にしてませんし、復習することで勉強の効果は大きく向上しますので、ぜひやってみてください。

また、もし原稿の内容を覚えていない場合は、スマホで録音したロールプレイを聞き直すことで思い出すことができます。

厳選:お勧めオンライン英会話スクール

ここまで解説した勉強法を実践するためのオンライン英会話スクールは以下のリンク先で紹介しています。

忙しくて原稿を準備できない方や自分で原稿を書く自信がない方には、その点をサポートしてくれるスクールもあります。

コスパ最高のオンライン英会話3校とその活用方法を紹介します