LBOモデルにおける負債発行費用の取り扱いについて

DCF実践

今回は、LBOモデルに関して質問をいただいた負債発行費用について解説します。負債発行費用の償却方法について、負債のマイナス項目とする処理方法は感覚的に理解しにくい部分だと思いますので、少しかみ砕いて説明します。

負債発行費用の取り扱いは起業が採用する会計基準によって異なることに注意する

先日、LBOモデルを学習されている方から、以下の質問をいただきました。

LBOモデル解説6の記載の通り、上記負債発行費用は定額償却すると理解しておりますが、モデルのBS上でマイナスの値にて償却している理由がよく理解できておりません。(105行目)

もしかしたら、同じような疑問を持たれている方もいるかもしれませんので、以下に解答を記載いたします。

負債発行費用の会計処理は、採用する会計基準によって異なります(サイトのモデルはIFRSを採用しております)。

会計基準毎の処理方法を簡記すると、以下のとおりです(イメージを伝えるための簡単な説明なので、詳細な取り扱いはきちんと各会計基準を確認してください)。

  • 日本会計基準:負債発行費用は繰延資産として認識して、負債の償還期間に応じて償却される
  • IFRS・米国会計基準:負債発行費用は負債の調整項目(contra liability account)として、負債の償還期間に応じて償却される

IFRSにおける処理方法は、負債の額面を100、発行費用を10とすると、10の費用は100を借りるために要したコストなので、負債の調整項目(contra liability account)として借入期間に応じて償却することになります。借入期間を10年とした場合、発行費用10を毎年1ずつ調整していくことになります。これをBS上で示すと、毎年1ずつ費用としてPLに計上し、その分負債が増加していくという処理になり、具体的には、

1年目:負債の合計110-発行費用9=ネット101(発行費用1は費用として損益計算書へ)

2年目:負債の合計110-発行費用8=ネット102(同様)

・・・

10年目:負債の合計110-発行費用0=ネット110 (同様)

となります。この「-発行費用」という部分がBS上でマイナス表記されているものです。なお、ここでいう負債の合計とは、負債の額面と負債発行費用の合計を指しています。

ご購入いただいた方へのアフターケアとして、解説のわかりにくい点等についての質問も受け付けておりますので、どんな疑問でも問い合わせフォームからお問い合わせください。これによって、疑問を解決しづらいという独学のデメリットを解消できると考えております。

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