バリュエーションに関する図書の中で、私が特に参考になったものを紹介します。ネットで検索すると多数の参考図書が出てきて、どれを買おうか迷うことがあると思います。実際、優れた図書が多いのも事実ですが、その中でも、読者のニーズ別にまずはこれを読んでおけば間違いないという図書を紹介したいと思います。
1. 入門編(これからバリュエーションを学ぶ方)
個人的にはバリュエーション入門書の決定版的な本だと思っています。企業価値とは何か、どうやって決まるのかを極めて平易に説明してくれていますので、これからM&Aやバリュエーションを学ぼうとする社会人や学生の方にお勧めです。
説明がわかりやすいので記憶に定着しやすいですし、結果的に理解が深まって中級以上の図書を読む際の理解も深まるという意味でも素晴らしい入門書だと思います。
2. 中級~上級編( バリュエーションスキルを自分の強みとして仕事に使う方 )
バリュエーションを本職とするアナリストやインベストメントバンカーなら全員読んでいると言っても過言ではないバリュエーションの決定版です。バリュエーションの理論的背景と実務への応用について、上・下2冊で豊富な事例を用いて説明してくれています。バリュエーションを深く理解したいという方は、まずはこの本を読むことをお勧めします。
かなり分厚いのでkindle版の方が移動中にも読みやすいですが、紙の書籍の方が前の章に戻って読み直したり等がしやすいので、少し高いですがkindle版とハードカバーと両方を持っている方もいます。
3. 上級編(様々な資産のバリュエーションを学びたい方)
バリュエーション研究の第一人者として有名なニューヨーク大学のダモダラン教授の著書です。
原著のサブタイトルに「Tools and Techniques for Determining the Value of Any Assets」と書かれているように、バリュエーションの基礎から詳しく説明したうえで、あらゆる資産に対してどのように応用するかを学べます。
日本語版は3冊に分かれていますが、原著は1000ページ近いとても分厚い1冊の本です。なので、この本を読む方は3冊どれかを読むというよりは、3冊一体と考えて読んだ方がよいと思います。